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小豆島の味 その2 ~『なかぶ庵』 で 生素麺~

 小豆島といえば、オリーブ、お醤油と並んで、思いつくのは素麺。
 出来立ての素麺を食べられるところがありやしないだろうかと探して、見つけたのが 『なかぶ庵』 です。

小豆島の味 その2 ~『なかぶ庵』 で 生素麺~_d0264892_0544486.jpg『真理』 さんのパンフレットと同封されていた周辺地図にもありました。

島内のメインの道は、さほど入り組んでいないので、
ナビは設定せず、私が地図を見ながらナビします。

銀行がある角を曲がって・・・そうそう。
大きなお醤油屋さんを過ぎたら四つ角を右折。
川を渡って・・・
少し行ったら、左に道がある・・・はず・・・だけど・・・

「道なんてないぞ」
あれえ?

そのまま道は山の方へ。
絶対通り過ぎている。
やっぱりナビを設定しなきゃだめかあ。

道端に車を停めてナビを設定。
来た道を戻ると、
「ここを右です」 とナビが言います。
さっき私が道があるはずと言った場所です。

ほらあ、やっぱり。 でも道なんてないし・・・

そのまま通り過ぎ、町の中をぐるっと回って、
銀行の角を曲がり、お醤油屋さんの前を通り、右折して、川を渡って、
「ここを左」

同じ場所だ。
でも、そこには家と、その横は空き地しかない。

また通り過ぎると、ナビがすぐまた「ここを左」
見ると、未舗装の、どうみても農道で畑の中の道があります。
ナビが言うのだからと、その農道を入っていくと、さらに、
「ここを左」
ええ? それは車なんぞ通れそうもない、畑の細い畔道です。
見ると、その先の高台に「中武商店」 と大きく書かれた工場の壁が見えます。
「あそこらしいけど、こんなとこ行けないよ」
そのとき、畑で作業をしているおじさんに気づきました。
車を降りて聞いてみます。
「なかぶ庵に素麺を食べに行きたいのですが」
すると、おじさんは、
「みんな通り過ぎてきよるなあ」

「あの、車が停まっているあたりに、右に入って行く道があるから、そこを上っていけばあるよ。 ちいさい看板があるよ」
おじさんが指さす先に、白い車が見えました。

お礼を言って、戻ります。
農道から元の道へ。 そして白い車・・・さっきの空き地だ。
道なんてなかったよね・・・
あ! 
空き地と手前の家の間に、今迷い込んだ農道と同じくらいの狭い道がありました。 農道との違いは少なくとも舗装されていることくらい。
これ?
あまり細い道で、まったく気が付かなかったのでした。 入り口に小さな案内板が道端にありました。
これじゃあ小さくてわからないわけだ。

小豆島の味 その2 ~『なかぶ庵』 で 生素麺~_d0264892_139359.jpg車一台やっとの坂道を、
対向車がきたらどうしようとはらはらしながら上っていくと、
駐車場があって、
麦藁帽をかぶったおじさんが出入りの車を捌いています。

小豆島の味 その2 ~『なかぶ庵』 で 生素麺~_d0264892_1422094.jpg
出やすい場所に停められました。

坂を少し戻ると
製麺工場のかたわらに
併設の食事処 『なかぶ庵』 がありました。

広くない店内はすでに満席。
名前を書いて待たなくちゃだめかな、と思っていると、
「どうぞ、中へ」 と案内されました。


小豆島の味 その2 ~『なかぶ庵』 で 生素麺~_d0264892_145333.jpg
通されたところは店の横の広い部屋。
がらんとしたスペースに、スチールの長机と椅子。
壁には、出荷の予定表があります。
どうやら、ふだんは従業員の休憩場所のようです。
来客が多いので開放しているのだと思います。


「メニューはありません。 素麺のみの提供になりますが、いいですか?」
白い帽子にマスクの、工場の従業員らしい女の子が注文を受けていきます。

小豆島の味 その2 ~『なかぶ庵』 で 生素麺~_d0264892_1585154.jpg

ほどなく、素麺が運ばれてきました。 左上はお茶。 左下が麺つゆ。
わくわくしながらひと箸・・・

わあ! 
今まで食べていた素麺とは似て非なるもの。
生の素麺がこれほど美味しいとは!

ややもちっとした歯ごたえ。 弾むような弾力としっかりとした腰。
ほのかに小麦の香りを感じさせながら、 つるりと喉を滑っていく食感。

蕎麦もうどんも、打ち立て、ゆで立てが美味しいのだから、素麺も打ち立ての生は美味しいに決まっていると
思ってはいました。
しかし、この美味しさは想像外。

3度も通り過ぎ、畑に迷い込み、農作業のおじさんに会わなければ、行き着けなかったかもしれません。
でも、あきらめずに来て良かった。
小豆島の味 その2 ~『なかぶ庵』 で 生素麺~_d0264892_1591790.jpg

この素麺を食べるためにまた来たい。
本気でそう思いました。
おそらく、これから素麺を食べるたびに、この味わいを思い出すことでしょう。

余韻に浸りながら、寒霞渓に向かいました。
今回の小豆島の旅のハイライト。
寒霞渓を歩いて登ります。
by spring-ephemeral | 2015-10-02 02:30 | 味だより | Comments(8)
Commented by よし坊 at 2015-10-02 08:48 x
執念で行き着きましたね。
その甲斐有って美味しい素麺が食べられたのですから。
似て非なる物 と言う事は普段食べて居る素麺とはかけ離れた美味しさなんでしょうね。食べて見たい!!
Commented by うつきよう at 2015-10-02 22:51 x
よし坊様、

 はい、
 弾力、コシ、喉越し、なにもかも少しずつ、普段の素麺と違っていました。
 生素麺を初めて食べましたが、美味しかったです!
 執念実りました(笑)
Commented by ニャン at 2015-10-05 09:18 x
生そうめん、そのようなものが存在するということすら
この五十数年知らずに過ごしてきました。
素麺は大好きですが、素麺イコール乾麺と思っていたので驚きです。
でも、食べてみたい生素麺です。^^
岬の分教所、良いですね。昔懐かし学校の姿。鉄筋にはないぬくもりがありますね。
そして醤油ソフト、まだ一度も食べたことがないので、是非!!
でも小豆島に秋田、千葉、、、、いづれも行きにくい場所です、、、、^^;
Commented by みやび at 2015-10-05 16:28 x
生素麺があること、初めて知りました。
素麺はすべて乾麺にするのだと思い込んでいました。
生素麺を食べるには現地に行かないと・・・。
食べて見たいけどいかんせん遠いですね。(ノ_・。)
Commented by パンジー at 2015-10-05 23:12 x
生そうめん…???
奈良も三輪素麺で有名ですが初めて聞きます、それとも勉強不足?
そんなに美味しいのですか❢
お宿『真理』さんも気になるし、醤油ソフトも諦め難し…
もういつもいつも魅力溢れるところの御紹介で、またまたメモが分厚くなりました。
酒風呂には、ちょいと味見してから入ろうか知らん…(笑)
Commented by うつきよう at 2015-10-05 23:18 x
ニャン様、

 お母様とのお時間を割いてコメントくださり、ありがとうございます。

 生そうめんとはいえ、素麺ですから、とちょっと高をくくっておりましたが、
 ひと口食べて!!!
 おいしかったです。
 分教場、木造校舎の温かみが懐かしかったです。
 醤油ソフトの他に佃煮屋さんに佃煮ソフトクリームなるものがあったのですが、
 味が想像できず、試せませんでした。
 はい、どこも簡単に「それっ」というわけにいかないところばかりですよね・・・
 
Commented by うつきよう at 2015-10-05 23:38 x
みやび様、

 乾かす前の生の素麺を、ひょっとしたら食べられるかもしれないと思って
 旅行雑誌などちょっとチェックしてみました。
 ほかのお店はわからなかったので、
 こちらを逃すと食べられないと思い、
 必死に店を探しました。
 行き着けてよかったです。
 ほんとうに、遠いですよね・・・
Commented by うつきよう at 2015-10-06 00:07 x
パンジー様、

 わあ、おかえりなさいませ~
 どちらにおでかけだったのか、早く知りたいです~。

 そうでした、三輪素麺は奈良でしたね。
 生を乾かすのですから、三輪素麺にもあるかもしれませんね。
 はい、美味しかったです。
 もちろん素麺は素麺なんですけど、普段口にする乾麺とは違いました。
 『真理』に泊まって、生そうめんを食べにまた小豆島へ・・・
 いいなあ、しかし、う~ん、遠い・・・
 幸いツレアイが「小豆島、良かったなあ」と言っているので
 いつか再訪へ、望みを捨てずにおきます。
 お酒は、私が容赦なくお風呂に注ぎ込みました(笑)
 でも、正直なところ、味見て見ようかしら、と、ちょっと思いました(笑)
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