<2月14日>
目立たない入り口から、飾り気のないエレベーターを降りると、 ドアの向こうに、静かな空間が現れました。 大小5つの部屋が並ぶ1階の真ん中が我が家の部屋です。 前回と同じお部屋ですので、ここがJTBと契約のある部屋なのでしょう。 玄関を入って、正面に洗面台、トイレがふたつ、内湯があります。 右側の奥が主室です。 昨年の大雪では4日目にようやく除雪が入って道路の通行ができるようになったそうです。 ホテルは当然のことながら営業できず、従業員の方でさえ来れず、大変だったとか。 「キャンセルになってしまい、申し訳ありませんでした」。 ・・・おや、宿泊客のデータをあらかじめ確認されている?・・・ 抹茶と栗(?)の落雁と、 私は緑茶、ツレアイはスパークリングワイン。 照明が写りこんでいますが、無地のお皿です。 我が家が再訪であることを心得ていて、2、3の確認事項の他は、特段の説明はありません。 男性用、女性用、それぞれのアメニティセットに、 女性にはミキモトのセットも。 女子には嬉しい。 着替えて、さっそく本館『福一』の大浴場に行くことにします。 通路の、入って来た入り口とは反対側の端にあるドアを開けると、 そこはもう本館のエレベーターホールです。 左側に見える、なんでもないドアがその『諧暢楼』への出入り口。 本館側からは、カードキーをかざすとドアが開きます。 部屋もこのカードキーをかざして開けます。 エレベーターホールには、 「ここは1階です」 と書かれた案内札が立っているだけで、 『諧暢楼』 への出入り口があることは、まったくわかりません。 『福一』 の館内図にはちゃんと書かれていいるにもかかわらず、 何度か『福一』に宿泊していても、『諧暢楼』 がどこに存在しているのか、全くの謎でしたが、 わからないはずです。 ことさら秘密めかしている、とか、いかにももったいをつけている、というわけではなく、 むしろ、あえて存在を示さないことで、 さりげないひそやかさが、独特の不思議感を漂わせているように感じます。 さて、大浴場は、本館の3階にあります。 男女の入れ替えはありません。 例によって、早めに大浴場にでかけたので、 まだどなたもいらっしゃいませんでした。 伊香保は、含鉄泉の茶色のお湯が知られていますが、透明の温泉も出ます。 部屋の露天風呂にも出たり入ったり。 『諧暢楼』がオープンしたころは、福一さんの透明なお湯は温泉ではありませんでしたが、 今は、大浴場にも、部屋の露天にも、「白銀の湯」がひかれています。 室内のミニバーは有料ですが、冷蔵庫内はフリードリンクです。 湯上りに、ツレアイはさっそくプレミアムモルツを一本開けて飲んでいました。 <夕食> 食事は7階の食事処に出向きます。 お迎えが来る、と聞いていたはずでしたが、せっかちなツレアイは「そんなこと言ってたか?」と言い出し、とりあえず本館7階に行くことにしました。 すると、同じ7階でも場所が違っていて、別のエレベーターに乗らなければならなかったのです。 「ほら、だから待っていればよかったのよ」 『福一』のスタッフが、「係りの者をお呼びしますね」と連絡してくれたので、すぐに、到着時に迎えてくれた同じスタッフが来てくれました。 食事処は個室です。 とても静かですが、ただひっそりしているだけではなく、あるかなしかのさざめきが、遠く近くに聞こえてきて、 なんとはなしにほかのお客様がおいでだとわかります。 前回も感じたこのとても不思議な感覚は、くせになりそうです。 前回、料理に合わせて、ワインやお酒をコーディネイトしてくださるマリアージュをお願いしました。 もともとついているプランもありますが、我が家のプランにはないので別料金ですが、いろいろなお酒が楽しめるので、今回もお願いしました。 「奥様はあまりお飲みになれないとのことでしたので、奥様には少な目に、その分ご主人様に多目におつぎしますね」 そんなささいなことまで把握してくれています。 食前酒はロゼ。 これが、なんと、上田の隣の青木村産のワインでした。 先付の、きのこいろいろや野菜を温かなエシャロットソースにくぐらせて。 美味しかったです。 ソースもすっかりいただきました。 お酒はフランス産の白ワインへ。 うるい、コゴミ、ウドなどと白魚の薄葛仕立てのお椀。 お酒は 山形正宗。 お酒くささがなく、わずかに甘口の冷酒です。 飲み口が良いので、うっかりするとぱかぱか飲めてしまいそう。 自重、自重・・・ 焼き霜の鯛と鮑が中心のお造り。春らしい色合いです。 まず、お皿に敷かれた青のりのソースでいただき、 そのあとお醤油で。 日本酒が続きます。 ツレアイの希望で辛口にしてもらいました。地元伊香保のお酒です。 群馬産の黒毛和牛の陶板焼きには、 早くもタラの芽とふきのとうが添えられていました。 他に地元産の野菜。 お酒はムルソーに。 あえて重めの白ワイン、だそうです。 じゃがいものヴィシソワーズ 上に乗っているのは、確かみょうが。 中にはメキャベツやアスパラが入っています。 甘鯛の小鍋にもお野菜たっぷり。 トッピングのおぼろ昆布が見るからに上等で、 透き通っていて、きれいでした。 初めて赤ワインです。 イタリア産で、重すぎず、 これまた美味しかったです。 食事は南部地鶏と南部ごまの炊き込みごはん。 これ、美味しかったです。 おかわりをよそおうと、 土鍋のふたに手をかけたところへ 「おかわりいかがですか?」 なんと絶妙なタイミング! デザートは南高梅のシャーベットと、 晩白柚。 好きですが、そうそう味わえない晩白柚とは嬉しいです。 貴腐ワイン。 品数は多くありませんが、ひと品ひと品に多くの種類の素材が使われていて、十分満足できるボリュームになっていました。 前回はもっとシンプルで、さっと食べ終わってしまい、次の料理との間が空いてしまうこともあったのですが、 今回はそんなこともなく、早からず遅からずのタイミングで食べることができましたし、 料理の内容がさらに良くなったと思いました。 部屋に戻ると、布団が敷かれています。 家にいれば、まだ宵の口の時間ですが、温泉に来ると早寝になる私です。 寝心地の良いふとんに横になれば、ぐっすり朝までおやすみなさい。
by spring-ephemeral
| 2015-02-23 02:03
| 宿を楽しむ~関東~
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Comments(2)
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よし坊
at 2015-02-25 16:26
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やっぱり凄いですね。超が付く高級宿。
対応と言い食事と言い文句の付けようがありません。 最近うつきよう様もニャン様も写真で気が付いたことがあります。 食事の時の品々を写す時、フラッシュを使っていないんですね。 自分たちだけなら堂々とフラッシュ焚いてもどうって事無いですが周りに人が居る時などは遠慮しなくちゃ成りませんものね。
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うつきよう
at 2015-02-26 00:49
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よし坊様、
旅行のときは、コンデジを持ち歩きますが、 コンデジでフラッシュを焚くと、明る過ぎてうまくいかないので、 シーンモードの「料理」か、通常のままか、 その時によって、見た目に近く写る方で撮っています。 ちなみに、今回は 絞り優先で、WBはオート でした。 ちょっとマイナスに補正しすぎましたかねえ? そのときは食い気優先で気がつかなかったのですけど(笑)
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