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 『七草の湯』 2015年1月 ~寒湯~


 日にちが前後しますが、1月17日、母と別所温泉 『七草の湯』 に行きました。

 「寒湯にちょうどいいねえ」 と母。

 「寒湯」なんて言葉、久しぶりに聞いて笑みがこぼれます。
 「寒湯治」ともいうようですが、
 寒の寒い時期に温泉に入って健康維持や、疲労回復を図る風習といったら良いのでしょうか、
 全国的なものかどうかはわかりませんが、
 寒くて、しかも温泉が豊富な長野では、時宜にかなった習慣です。

 母が子供のころは、母の母や、母の祖母らとともに、寒には温泉に行ったそうです。
 両親は、共に、長野市の東、須坂が実家です。
 近い温泉といえば湯田中。 
 寒湯は湯田中の、今はもうないという旅館で自炊。 まさしく湯治だったとか。

 思い返せば、私が子供のころ、別所温泉に行くのは冬が多かった気がします。
 毎年というわけではありませんでしたが、たまには「寒湯」に、別所に家族で行ったのでしょう。

 そのころは『七草の湯』 はまだ存在していず、
 『中松屋』 がいつも行く旅館でした。 創業280年になる老舗の宿です。
 お風呂をおぼろげに覚えています。 明るい浴室に丸い湯船があって、さらさらとお湯が流れていました。
 今は7階建になって、最上階に大浴場があります。
 浴室や露天風呂からの眺めは、今から訪ねる 『七草の湯』 よりも良いです。
 部屋も食事も悪くなく、我が家ではずっと利用していた宿でしたが、
 3年ほど前、初めて 『七草の湯』 の露天付きの部屋に泊まって以来、母は、その、部屋付きの露天風呂がすっかり気に入ってしまい、
 別所温泉の第一希望は 『七草の湯』 になりました。

 今回も 『七草の湯』 がとれなかったら 『中松屋』 も考えていたのですが、
 幸い、希望の部屋がとれました。

 母の思い出話を聞いているうちに到着です。
 途中、一番の渋滞個所を迂回する近道ができたおかげもあって、
 我が家からは、20分もあれば着いてしまうくらい近くなりました。
 あまり近いので、よほどのことがない限り泊まりに来る感覚にならないのですが、
 この近さが母にはかえって楽で、良いみたいです。

 当日は、雪混じりの北風が吹く、寒にふさわしい、寒い日になりました。
 温泉に来るべき日、だったのかもしれません。
 

 
 


 
by spring-ephemeral | 2015-01-24 02:13 | お宿ものがたり | Comments(6)
Commented by パンジー at 2015-01-24 09:11 x
ちょっと最近温泉から遠のいております。
日帰り温泉できる処は限られます。
いくら温泉とはいえ、スーパー銭湯では味気ない…
こうしてブログを拝見すると、ことさら信州が恨めしい冬です。
Commented by よし坊 at 2015-01-24 13:03 x
静岡も温泉どころと思って居ますが信州も温泉が多くて良いですね。
それも一寸移動すれば直ぐ到着する素晴らしい温泉。
羨ましいです。
Commented by shinmama at 2015-01-25 09:35 x

「寒湯」という言葉を初めて聞きました。
「カンユ」「カントウ」あるいは「ヌルユ」と読みますか?

旅行のサイトを見ると
長野には本当に温泉が多く、ネットサーフィンをしていると
それだけで疲れて いつも断念してしまいます。(笑)

お母様との温泉旅行に お母様の大好きなお部屋がとれて何よりでしたね。
親孝行をさぼっていると いつも うつきよう様のブログで刺激を受け
よし、私も、という気になります。
Commented by うつきよう at 2015-01-26 00:16 x
パンジー様、

 上田は、盆地で、夏暑く冬は寒く、
 おまけに田舎。
 取り柄は四方に温泉が近いことくらいです。
 昔は、遠くの有名な温泉地に関心が向いていましたが、
 歳とともに、寒いときは特に、
 近い温泉がありがたくなりました。
 
 
 
 
 
 
Commented by うつきよう at 2015-01-26 00:21 x
よし坊様、

 静岡の温泉には、良い宿がたくさんあって、
 決めるのに迷ってしまいますが、
 長野の温泉地は規模が小さく、宿も限られます。
 静岡の温泉は、遠いけれど、なおのこと、やっぱり憧れです。
 
 
 
Commented by うつきよう at 2015-01-26 00:53 x
shinmama様、

 「かんゆ」と読みます。
 やっぱり、長野、それも北信地方特有の習わしみたいですね。
 「寒湯にはいると風邪をひかない」と祖母が言っていたように思います。
 昔は今よりずっと寒かったと思いますし、
 一年でもっとも寒い時期に温泉で体を温めるのは、 
 免疫力アップにもつながったことでしょうね。

 テレビのCMなんかで、たとえそれが旅行会社のものではなくても、
 母娘の旅行シーンは憧れでした。
 母も、事務職ですが、ずっと仕事を持っていましたし、
 父が晩年心臓を患ったりしたこともあって、
 母との旅行は叶わぬ夢だったのですが、
 ようやく機会がもてるようになりました。

 母は、年ごとに少しずつ弱くなっているのがわかりますが、
 見たところはまだ元気なので、
 ツレアイと出かけるときは、駅まで送迎してもらっている手前、
 何回かに一度くらいはお返ししておかないといけないよね、と殊勝にも思うわけです(笑)
 

 
 
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