2017年 11月 09日 ( 1 )

波多野睦美/大萩康司 デユオコンサート ~プラテーロとわたし~

<2017年11月1日>

 上田市内、『犀の角』 というイベントスポットで メゾソプラノの波多野睦美さん と ギタリストの大萩康司さん のデユオコンサート がありました。

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前半は大萩さんのギター伴奏で、波多野さんの歌や、大萩さんのギターソロなど。

ギターの音色が波多野さんの声と良く合い、また、大萩さんが、波多野さんの歌に寄り添い、主張をぶつけ合うことなく、引き立て役に徹して、心地よい演奏でした。

改めて、大萩さんて、いい人なんだなあ・・・

波多野さんのお年はたぶん50代くらいかと思うのですが、年を重ねてきた経験が歌に味わいとして現れていると感じました。

大萩さんのギターはいつもながらすてきでした。
カルメンのハバネラのかっこいいことといったら! 
特に弾き終わりは、6本の弦を右手の人差し指から小指までの4本でジャラン!と一気に弾くラスギャードという奏法で、かつ、パッと音を切って止めるのですが、その鮮やかなこと! 目に焼きついています。 ほんと、かっこよかったなあ・・・

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後半は、コンサートのサブタイトルにあるように、「プラテーロとわたし」です。

スペインの詩人でノーベル賞作家でもあるヒメネスは、健康を損ねて故郷のアンダルシアに戻り、ロバのプラテーロと日々を過ごす様子を138編の散文詩に表しました。
作曲家のテデスコは28編を選び、朗読とギターのための「プラテーロとわたし」を作曲しました。
今回はその中からの12編の演奏です。

波多野さんは、挿入歌のような歌を歌う場面はありますが、基本的に歌ではなく朗読です。
ギターは朗読のBGMでもあり、情景描写でもあり、心象風景でもあり、ときに詩そのものを語るようでもあり、というような立ち位置です。

私は第1編の「プラテーロ」を弾いてみたことがあります。 
レッスンとして弾いたので朗読とあわせたわけではなかったのですが、普通の曲ではないので、どうも弾きにくくて・・・

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8分の12拍子で始まり、途中、4分の4拍子になったり、2分の2拍子になったり、8分の12拍子に戻ったり。
つまりは、拍子はあってないようなもので、曲というより、ロバのプラテーロの歩みや、詩人の言葉や気持ちを音で表しているわけですが、弾くとなるとてこずりました。

なるほど、こんな風になるのか! と実に感心至極です。

プラテーロとわたし」 の演奏時間は1時間たっぷりかかります。
元々はそんな気はなかったのですが、行きがかり上、最前列に陣取ることになってしまったので、
途中で寝てしまったらどうしよう、と心配していました。

しかし、プロ中のプロの演奏は素晴らしく、
しっかり目を見開き、耳を傾け、
メゾソプラノとギターの音の世界にとっぷり浸かることのできた1時間でした。

アンコールは 武満徹 の 「」。
大好きな曲です。
うっとり聞きました。
by spring-ephemeral | 2017-11-09 00:13 | コンサート・ギター | Trackback | Comments(4)