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『石苔亭いしだ』

<8月15日>

 下呂温泉からの帰途、2泊目は昼神温泉 『石苔亭いしだ』 でした。

 中津川から中央道に乗り、恵那山トンネルを出てすぐの園原ICで降ります。
 園原ICはハーフインターで、名古屋方面のみ、乗り降りができます。

 昼神温泉は、250年前にあった温泉が埋もれてしまっていたのを、1973年、旧国鉄がトンネルの試掘をしているときに再発見されたのだそうです。
 40年ほどという、歴史の新しい温泉地です。
 今回は、園原ICから向かったので、阿智川に沿って広がる温泉の上流方面から温泉街に入りました。

 目指す『石苔亭いしだ』さんの入り口には、瓦葺の堂々とした門があるはずです。
 と、黒塗りの、実に大きな門構えの宿が現れました。
 ここ? 門の様子が違うような気もするけれど、3年経っているから変わった?
 ツレアイはスピードを緩め、私はキョロキョロと門を眺め・・・でも、別の宿みたいだし・・・
 窓を開けて、元気よく笑顔いっぱいに呼び込んでいる宿のスタッフに尋ねると、
 にこやかに、 「『いしだ』さんはこの先です」
 そこは、昨年6月にオープンしたばかりの『昼神の棲 玄竹』という宿でした。
 実は、パンフレットで見つけたこのお宿も見てもらったのですが、満室だったのです。
 ここかあ・・・平屋造りのとても広そうな、古民家風の宿で、気になりますが、横目で眺めて、2軒先の『いしだ』さんへ。

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門の下で車を降り、車は係りの方のお任せして、
左手の玄関に向かいます。

女将をはじめ、スタッフの方々の出迎えを受けたとき、「来てよかった」と感じました。
どの宿でもされている出迎え方で、特別なことはないのですが、受けた印象はとても良いものでした。

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宿のシンボルとも言うべき能舞台。
お雛様には、二千体というつるし雛が飾られます。

この時期は季節の行事がないので、なにもありませんが、
七夕に、たくさんの風鈴が飾られていたこともありました。

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能舞台の前のロビーから玄関を見ています。

お菓子と、
ツレアイはスパークリングワインを、
私は抹茶をいただき、
チェックインを済ませて部屋へ。

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今回でたしか3度目の『いしだ』さんです。
JTBを通して手配をしてもらいますが、
過去2回は同じ部屋でした。

今回も、ここを右に行き、大浴場を通り過ぎてすぐの部屋かな・・・
と思っていたら、
左手の、窓が見えている部屋でした。

間際だったので、
空いている部屋がここだったのかも・・・

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『いしだ』では、部屋に、能の演目にちなんだ名前がつけられていますが、
今回の部屋は 「釣狐」 でした。

『石苔亭いしだ』_d0264892_101027.jpg前の部屋はシンプルなつくりだった記憶なのですが、
今回の部屋は凝っています。

広いガラス窓の下に見える石組は、部屋の中にあります。

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部屋の中の、玉砂利が敷かれた小さな「庭」の効果か、
部屋が実際より広々と感じられました。

外の庭は木々に囲まれたテラスのようにも見え、
置かれた椅子とテーブルが良い雰囲気でした。

庭には出られますが、
椅子とテーブルは、実用というよりオブジェのようでした。

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広い主室に続いて小さなリビング、

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位置としては主室の隣ですが、
独立している小さな副室は
寝室として、
すでに和ベッド風に厚い布団が敷かれていました。

これは嬉しい。

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お風呂に続く洗面所の、
もったいないほど広いこと!
この広さは初めてです。

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部屋のお風呂は、引き戸を閉めると内湯に、
全開すると半露天のように使えます。

湯船から、目の前の大きな欅を見上げました。

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着替えたら、大浴場に行ってみます。


大浴場は、男女入れ替えになります。
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まずは女性用になっている方から。








内湯と、

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露天風呂。

奥に暗く見えるのは浅い洞窟です。

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では、洞窟の中から。


昼神温泉のお湯は PH9.7 、アルカリ泉です。
前夜の下呂温泉も同様のアルカリ泉でしたが、無臭でした。
昼神温泉の場合は、浴室にはいると、ふわりとゆで卵のにおい、 口に触れると、特有の味を感じます。
成分表を確認すると、やはり硫化水素イオンが含まれており、備考欄には、「硫化水素味を感じる」とありましたが、その通りでした。
アルカリ特有の、なめらかで気持ちの良いお湯でした。

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大浴場の脇は、ライブラリーのある第二ロビーになっています。

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庭を眺めながら、冷たい薬草茶を。

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ちなみに、前の板塀にかこまれているのが、
我が家の部屋です。


入れ替えになった、もう片方のお風呂。
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内湯と、


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露天。

こちらのほうが内も外も、若干広いように感じます。

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二夜続けてアルカリ泉。
すべすべと、若返ったような肌触り。
硫黄のお湯も好きですが、アルカリのお湯も良いお湯です。

大浴場にも、部屋のお風呂にも、出たり入ったりしているうちに夕食になりました。
楽しみにしている料理があるのですが・・・













 
by spring-ephemeral | 2014-08-26 01:07 | 宿を楽しむ ~長野県内~ | Comments(8)
Commented by みやび at 2014-08-26 12:02 x
このような佇まいのお宿、大好きです。
うつきよう様のご紹介してくださるお宿はどこも素敵で
泊まってみたい
以前、水引を見に行きたいと思い少し検索したのですが
なぜかそれっきり・・・。

Commented by みやび at 2014-08-26 12:06 x
まだ書いている途中になぜか送信されてしまいました。
改めて書き直します。(m..)m
Commented by みやび at 2014-08-26 12:11 x
このような佇まいのお宿、大好きです。
うつきよう様のご紹介してくださるお宿はどこも素敵で
泊まってみたいです。

これからお食事編もあるのでしょうか。
楽しみに待っています。
Commented by よし坊 at 2014-08-27 09:50 x
自分の情報だけで宿を決め予約する僕ですがうつきよう様のようにJTB情報で選ぶと目的の宿にピタッとマッチするのが良いですね。
それにしても広く贅沢な程の間取り。良いですね。
Commented by ニャン at 2014-08-27 22:00 x
昼神温泉は比較的、新しい温泉地なんですね。
知りませんでした、、、。
いしださん、玄関正面の能舞台が印象的なお宿ですよね。
露天風呂付きの部屋はやはり良いですね。
とても落ち着いた部屋で、広々としています。いいなぁ~^^

前回のブログ拝見した後、自分はどうしていたんだろうと自分のブログを読み返してみました。
そして うつきよう様から頂いたコメントも拝見。
複雑な思いで、「いしだ」さんへ向かわれたことが、よーくわかるコメントでした。
無頓着な私も、さすがにショックを受けていたようです。
三年という月日は流れましたが、応援し続けなくてはいけませんね。
Commented by うつきよう at 2014-08-27 22:31 x
 みやび様、

 私も、コメントを書いている時、あれ・・・? ということがあります^^;
 どうしてだか、同じコメントを3通くらい送っちゃったり・・・
 思いもよらないことが起こりますよね。
 そんな中でもコメント下さって、ありがとうございます。

 はい、
 ちょっと間があいてしまいましたが、
 お食事編、頑張ってアップしますね(^_-)-☆

 
Commented by うつきよう at 2014-08-27 22:42 x
 よし坊様、

 ある程度の情報はパンフレットを見てから、JTBに出かけていくのですが、
 同じ温泉地内のほかのお宿との比較とか、
 JTBとの契約外の部屋の様子とか、
 その場でいろいろ見てもらえるので、
 参考になります。
 電気代も節約できるし・・・は、ちょっとせこいですかね(笑)
 でも、たしかに、希望の内容に沿うよう、
 細かくチェックできるのは、嬉しいです。

 部屋の指定はできないことが多いので、
 どんな部屋か、部屋の入り口を入るときのドキドキ感もまた楽しみですね。
Commented by うつきよう at 2014-08-27 23:02 x
 ニャン様、

 そうなんです。
 仲居さんが「まだ40年の温泉」とおっしゃったので、私も初めて知りました。
 帰宅後調べてみて詳細がわかりました。
 それにしては、大きなホテルもあって、立派な温泉ですよね。
 『いしだ』さんのお部屋、立派なお部屋で、びっくりしました。
 前に泊まったお部屋より、お風呂も広かったし・・・
 ひと部屋だけ空いていたそうですから、
 残り物に福があったんですね(笑)

 上田は被災地、特に福島からは約250キロという距離ですが、
 絶対安全な距離ではなく、後でわかったことですが、県境の山々のおかげで影響がなく済んでいました。
 いざというときは2、3日家の中で籠城できる用意はしているという状況でもあったので、
 少しでも遠くに行けるのは、たとえ一日でも、内心嬉しく、
 そんなこともあって、複雑な思いでした。
 たまたま行先が『いしだ』さんだったので、思い出すきっかけになりましたが、
 そうですよね、できる応援はしていかなければいけませんよね。
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